Wonderful DaysⅠ
魁さんが暴走族の総長をしていた事に目を丸くする私。
「すっごい格好良くてケンカも強いから神威を辞めた今でも皆の憧れの的なのよ」
うっとりとした表情で話を続ける荒井さんは恋する乙女になっていた。
「白皇の白石さんも格好良いけど神威の結城さんは別格よねー!!」
荒井さんと同じテーブルにいた他の子が興奮気味に話してくる。
・・・が、その言葉の中の人物にも心当たりがある私は箸の動きが完全に止まっていた。
───銀髪白石も有名人なのっ!?
「地味にひっそりと」をモットーに過ごして来た筈なのに、知らない間に暴走族には追われているようだしこれ以上目立つのは勘弁だ・・・
「で、その結城さんが昨日の夜、女と歩いていたのを目撃した人が続出して大騒ぎになっているの」
「お、大騒ぎ?女の人と歩いていても普通なんじゃ・・・」
「他の男ならね?結城さんだから皆、驚いているのよ」
「そうね。結城が女を連れているなんて噂で聞いた事もないし」
荒井さんの言葉に同意したのは綾ちゃんで。