Wonderful DaysⅠ


商店街の中を通ると空腹を刺激する美味しそうな匂いに自然と誘われてしまう。


「・・・お腹空いた」


脱力しながら歩いていた私は前から来る人の気配に全く気が付いていなかった・・・


───ドンッ


無防備のまま体に受けた衝撃で掛けていたメガネが吹っ飛んだ。


「ってぇ・・・」


不意に聞こえた声に顔を上げれば


「何処見て歩いてんだよっ!」


何処かで見た事がある厳つい集団が立っていた。


「ご、ごめんなさいっ!」


取り敢えず謝ったけど


───あれ?この人達どこかで・・・


中々、思い出せないでいると


「あ?」


私の顔を見て何かに気が付いたのか声を出した人が一人。


「てめぇ、あの時のっ!」


あの時?あの時って一体、どの時・・・・?

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