Wonderful DaysⅠ
首を傾げて暫く考えていると
厳ついスキンヘッドが発した一言で思い出す。
「結城の女っ!」
───結城の女・・・?
「───あ」
魁さんの女だと勘違いされたのは白石に羽交い絞めにされたあの時だけ。
───って事は、この男達・・・白皇っ!?
今、此処で捕まったら私の平穏な生活が無くなっちゃうっ!
キョロキョロと辺りを見渡したけど吹っ飛んだメガネが見付からない。
「てめぇ、何処見てやがるっ!」
伸びてきた手を避けて一歩後ろに下がり、踵を返す。
メガネは諦めて元来た道を全力でダッシュする。
「待てっ!!!」
後ろから追い掛けて来る厳つい集団。
───待てる訳ないでしょっ!
制服姿の今、捕まる訳には行かない。
これで学校がバレたら、それこそ地獄だ。
周りの景色を見る余裕なんて無くて、取り敢えず逃げ切る事だけを考えた────