Wonderful DaysⅠ
家族が心配し過ぎて、単独行動をさせず車で送迎させてたのが余計マズかったのかもしれないが・・・
みなとみらいの海沿いに到着すると静かに止まる車。
「此処で待っててくれ」
「畏まりました」
運転手にそう告げて、GPSを頼りに足早にマリアの居場所を探し出す。
狭い入り口から足を踏み入れれば、そこは海沿いの広い公園。
街灯が暗闇を照らしていて、夜だというのにかなり明るいその場所は雨上がりだからか人気はない。
コツコツと革靴の足音が辺りに響く以外は岸に寄せる水音だけが聞こえる。
暫く歩くと建物の入り口の端で蹲っている塊が見えた。
「───見つけた」
取り敢えず無事な姿に、安堵の溜め息を漏らした。