Wonderful DaysⅠ
そんな生活が壊れたのはマリアが12歳の時。
仕事先から帰国する途中で飛行機事故に遭い、父と桜さんは帰らぬ人となった。
修に預けられていたマリアだけが無事で、事故後にイギリスの祖母に俺達三兄妹が引き取られた。
俺達はそのまま寄宿舎暮らしだったから祖母宅には帰らず、マリアは寄宿舎制度の無いパブリックスクールに入学。
だが、英語が一切話せなかったマリアは他の生徒との意思の疎通が出来ず、段々と無口になっていきハーフに偏見を持った生徒からは虐められていた。
慣れない生活に、話せない言葉。
相談できる家族は近くに居らず、祖母も英語しか話せなかったから相談出来なかったのかもしれないが、俺達が気付いた時には遅かった───