Wonderful DaysⅠ
一時帰宅が許された俺達は寄宿舎から迎えの車に飛び乗って祖母の邸宅に急いだ。
勿論、マリアに会うために。
最高の笑顔で出迎えてくれると思っていた俺達はマリアの変わりように驚愕した。
いつも微笑んでキラキラと輝いていたエメラルドグリーンの瞳には、今にも零れそうなほどの涙を溜めて。
俺達の姿を確認すると、静かに頬に伝わったその雫を。
兄のマークが指で拭うと堰を切ったかのように大声で泣き出した。
理由を聞いても中々、教えてはもらえず帰宅期間中は常にマリアと行動を共にして原因を探っていた俺達。
その原因が分かるや否や、兄のマークはスクールへ乗り込んだ。
コミュニケーションの取れないマリアはスクールでの生活は難しいと判断されて日本人学校を勧められた。
それに激怒した兄は、ウィンザー家がスクールへ払っていた多額の寄付金を止め、虐めていた生徒を含む黙認していた教師へ制裁を加えた。
ウィンザー家の当主として・・・・