Wonderful DaysⅠ


そう。私は携帯も持っていないし居場所が特定できるような代物は身に付けていないし持ってもいない。


「マリアが知らないだけで、高性能のGPSが取り付けられてるよ?」


「はい?」


アル兄さんの言葉に目を見開いた。


「マリアは持たせた携帯はすぐに落とすし、極度の方向音痴だからね。」


付けていなかったら連れ去られても、迷子になっても探し出せないだろ?と、当たり前のように言うアル兄さんの言葉に納得させられた。


「し、知らなかった・・・」


「君は相変わらず迷子になりまくってるみたいだし?」


兄の言葉に苦笑いしか出てこない。


「昨日は何で、あんな海沿いで迷子になってたんだい?」


「昨日は私のせいじゃないもんっ!追い掛けて来た、あの男達が悪いんだからっ!!」


あの男達さえ、いなければ迷子になる事無くこの家に着いていた。

文句ならあの男達に言ってくれ。と言おうとしたら


「男達に追い掛けられた・・?」


それを聞いたアル兄さんは瞬間、鋭い眼光で私を見据えた。


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