朝と夜の狼に。
「今なんて……」
「……あ?……冗談だボケ。お前に興味はないよ」
カチン。
し、しつれいなぁぁぁ!
わかってますとも!
あたしは色っ気もなんにもありませんよ!
おかけで17年間ぼっちだもん!
そんな言い方しなくたっていーじゃん!
あたしは初対面の人に向かって、こんな言葉を言っていた。
「そ、それはこっちの台詞です!そっくりそのままあなたに返してやるわ!」
指をビシッと相手に向けそう言った。
…あ、…やばい、やらかした……
そして自分で危機感を覚える。
隣の人に嫌われればもうおしまい……。
いきなり崖っぷちとかヤダ!
一人でうーんと唸っていると、清水さんは驚いた顔をしてクスクスと笑い始めた。
「んな!何ですか!?」
「いや、初対面のやつにそこまで言うやつがいたなんてな……しかも何変顔してんの……」
「……!別にへ、変顔なんてしてません!
失礼しますっ!」
ふんっ!
こんな人がお隣さんなんて最悪!
この先絶対大変だ!
と、心のなかで言いながら反対のお隣さんの部屋を目指した。
『……おもしろ……遊びがいがあるな……』
クスリと笑い清水は扉を閉めた。