朝と夜の狼に。
「ふぅ……よし、この挨拶が終わったらゆっくりしよ」
なんだかさっきの……えと……清水さん?のせいですっごく疲れたよ……。
お隣さんの玄関の前につきインターホンを押すと、直ぐに中から足音が聞こえてきた。
どんな人かなぁ?
優しいおばさんとかだったらいいなぁ。
あ、同じ歳の女の子が一番だけど……
そんな期待をもって中から人が出てくるのを待っているとドアが開いた。
「……あれ?」
「……何?……てか誰?」
さっきの清水さんと同じ顔をしたイケメンが出てきました。
あ、服は着てるけど……。
「……えと……き、今日隣に引っ越してきました……東条です。よろしくお願いします……?」
「あー……、姉さん引っ越したんだっけか……
……なんで疑問系?」
え、声までそっくりなんだけど……!
どーなってんの?
「いや、な、何でもないです!これどうぞ!それじゃあ!」
別に何もやましいことはしていないんだけど、あたしは自分の部屋に逃げるようにその場を後にした。
『……?…つーか…腹減ったな……』
清水とそっくりなお隣さんは、欠伸をしながら部屋へと戻った。