朝と夜の狼に。




あたしはずっとソファーに座り、片手にオムライスの乗ったスプーンを持って放心状態に。





だって……だってさ!




玄関じゃないところから入ってきたんだよ!?




しかもリビングにあるドア、左右から一度に!







「……い……おい!聞いてんの?」



「へ?」




「へ?じゃなくて俺らの話聞いてた?」





え?何か話してたの……?





「す、すみません……。聞いてませんでした……」




「はぁー、お前とりあえずそれ作って」





溜め息をつかれたと思ったら『それ』、つまりオムライスを作れと左側の人が言ってきた。


「な、何で作らなきゃ……」



「いーから、俺らが飢え死にすんだろ」



「そーそー、飢え死にしたらあんたのせいだから」



んぐ。二人にそんなに言われると……




「はぃ……作りますぅ……」




渋々キッチンへと向かい材料を出す。



左側の人は上半身裸……ってことは清水さんか……。



んじゃあ……こっちは?




もしかして双子……?




なんて考えながら作っていたためあっという間に二人ぶんのオムライスが出来た。







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