誘惑HONEY
「はぁっ?」
「破ったら、リコンするから」
「なっ…別に、木下とは実習の話をしてただけで…仕方ないだろ?同僚なんだから…」
「ハイハイ。今日のことは大目に見てあげるから。これからは気をつけてね?」
カァーッとなる俺の肩をポンポンと叩いて、平然と食事に戻るナオ。
……コイツ。
なんだよ、それ。
俺、完全に振り回されてるって言うか…尻に敷かれてるよな?
だいたい、今朝のやりとりだけでそんな噂になるんだよ。
これだから高校生は…
そういや、あの頃は俺もいろいろやってたしな…
はぁーっ。
諦めて、弁当箱に手を伸ばす。
「……龍ちゃんは、自分がモテるって自覚が足りないよね。」
そんな俺を見ながら、ナオがぽつりと呟いた。
「私にはいろいろ言うくせに…ズルイよ。」
「ナオ…?」
「私だって、心配なんだよ?」
さっきまでとは明らかに違う。
泣き出す一歩手前みたいな表情でナオが俺を見つめている。
きゅっと。
胸が締め付けられるのがわかった。
「ナ…「ただでさえ、龍ちゃんは制服姿の“女子高生”が大好きなのに、そこにスーツの“女教師”まで加わったら…」