誘惑HONEY
――そして、飲み会当日。
ナオの許可(?)をもらって、気乗りしないまま、俺は会場である居酒屋に向かった。
着いてみれば、集まった連中はみんな俺と同じようなテンションで…
木下に誘われて“仕方なく来ました”感たっぷりだった。
そりゃそうだよな…
明日も学校はあるわけで、ラストに向けて、今が一番大変な時期。
呑気に酒なんて飲んでる場合じゃない。
できれば帰って授業の準備をしておきたい。
絶対みんな、そう思っているはずだ。
「ハイ、乾杯~!おつかれさまぁっ」
無駄に張り切ってるのは、木下だけだよ…
「えーっ?もう?」
当然ながら。会が盛り上がることはなく…
時間が経つに連れて、1人…また1人と、帰って行った。
そして…
気がつけば、残ったのは俺たち2人だけ。
「……俺も帰るわ。」