誘惑HONEY
「……ん?龍ちゃ…?」
俺がベットに入ると同時に、それに気づいたらしい。
こっちに背を向けて、丸くなって眠っていたナオが、振り返って起き上がろうとする。
「…あ、そのままでいいから」
それを制して。
俺はそのまま、後ろからナオを抱きしめた。
「んー?なにぃ?」
寝呆けた声を出しながらも、俺に身体を預けるナオ。
……はぁっ。
なんだか無性に落ち着く。
ナオの体温。匂い。
そして、感触。
毎日感じているだけに、すっかり俺の身体に馴染んでしまった。
たぶんもう、俺はこれなしでは生きていけないんだろうなぁ…
「…龍ちゃん、お酒くさいよぉ?」
「ん。飲んできたから」
「お風呂入った?」
「…朝入る」
「えぇっ?」
会話を交わしながらも、だんだん意識が遠くなってくる。
この心地よさは何なんだろう?
ナオとこうなるまでは、感じたことがなかった。
これが“愛”ってやつなのかなぁ…
ぼんやり思った。
「…ダメっ。」