誘惑HONEY
……ん?
突然、ピシャッと。
手を叩かれた…かと思うと、
「今日はもうダメだよぉ。」
ぎゅっ、と。
そのまま握られた。
「もうっ、龍ちゃんってば…」
そして、なぜか頬を赤らめて振り返るナオ。
……え?
「今日はもう眠いからダメ。触るだけならいいけど、それだけじゃ終わらないでしょ?」
触る…?
って何を……っ、わぁっ!
そこでようやく気づいた。
ナオが握っている俺の掌。
それが触れる先は…
「ち…違っ。俺は別に…寝呆けてたから無意識に…」
俺は慌てて手を離した。
……そう。
俺の手が“無意識に”触っていたのは、
ナオの、胸。
つまり、パジャマの中に侵入して、その柔らかい膨らみを器用に探り当てたわけで…
その感触を堪能しながら、眠りにつこうとしていた……ということになる。
俺ってば…
完全にどうかしちゃってる。
ナオのことをとやかく言う権利なんて、ないんじゃないか?
「まぁ、龍ちゃんに触ってもらえなきゃ困るんだけどね」