誘惑HONEY

俺のHONEY




「ありがとうございました。」




――実習最終日。

いろんな妨害に悩まされつつも、俺は無事にこの日を迎えることができた。

最後のHRも終えて、石浜先生をはじめお世話になった先生方への挨拶もほぼ済んで。

若干浮かれた足取りで歩いていると…


「沢木先生、ちょっと。」


ふいに後ろから呼び止められた。

振り返ってみれば…


「サ…藤枝先生?」


そこには、俺をじーっと見つめ…いや、睨んでいるサチ姉がいた。

……怖っ。


「とりあえず、実習おつかれさま。」

「どうも…」

「無事に終了できてよかったわね。おめでとう。」


…って、その顔で言われても、全然嬉しくないんだけど。


「“実習は”終わったみたいだけど…」


なんとなく怯える俺に対して、そのままの調子で続けるサチ姉。


「あなたにはまだ、終わってないことがあるわよね?」

「え…?」

「逃げてないで、そっちもさっさと決着つけなさい。」



それって…



「可愛い“奥様”が“旦那様”のお迎えを待ってるわよ」



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