誘惑HONEY




―――…
―――――――…



「……疲れた。」



なんとか片付けを終えて。

お風呂に入って、一息つく頃には、すでに日付が変わっていた。


……まったく、もう。


帰って早々、まさか掃除する羽目になるとは思わなかったよ。

家に着いたら即行、ベタベタイチャイチャするつもりだったのにぃっ。


「龍ちゃんのせいだからねっ。…って、寝てるし。」


布団を被って、龍ちゃんはすでに熟睡中。

真っ暗な寝室の中、規則正しい寝息が響いている。


もうっ。

私がお風呂に入る前…着替えを取りに来た時点でコレだったもんね。


そりゃ、“邪魔者扱い”したのは私だけどさ。

さっさと寝ちゃうなんてひどすぎる。

終わるまで待ってて、「お疲れさま」って言ってくれてもよくない?


「……とりあえず、寝よう。」


グチグチ思っていても仕方ない。

明日はお休みだし、まとめてお詫びしてもらうことにしよう。

いい加減、私も眠いし。


龍ちゃんを起こさないように…

私はそっと、ベットの中へ潜り込んだ。












「……ぅわっ」



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