誘惑HONEY




……心地よい、眠りにつくはずだったのにぃ。


「ちょっ、龍ちゃ…」


気づいたときには、私の身体は反転。

隣にいたはずの龍ちゃんが、なぜか私を見下ろす格好になっていて…


つまり、私は今“押し倒されて”いるのです。


「なんで?寝るんじゃ…」


どうしてこんな展開になるわけ?


「ナオ…」


暗闇の中。

表情は見えないものの、その声に悲痛なものを感じる。


「龍ちゃん…?」

「……もう、無理。」

「へっ?」

「ごめん。やっぱ、限界。」

「……っ?」


言うや否や、ガバッと。
私に覆いかぶさって来た龍ちゃん。

そのまま、首筋に顔を埋めた。


「やっ…んっ」


状況も掴めないくせに、反応してしまう自分が憎い。

この、重みとか。
熱とか。息づかい、とか。

これから起こることすべて、私の身体は知っている。


だから…



「ちょっ…!待って!!」


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