誘惑HONEY




「……っ!」


……それは、私だって同じだよぉ。

だから期待してたのに。

帰ったら、すぐにでもこうしたかった…って、龍ちゃんがいけないんじゃないの?


「俺を起こしたナオが悪い」


……何それ?

さっきまでの“可愛い”龍ちゃんはどこ?

夢?まぼろし?

やっぱり寝ぼけてただけ?


もうっ!


「…ぁっ」


怒ってる間にも、龍ちゃんの行為は進んで行く。


「ナオ…」



龍ちゃんは、ちゃんと私を愛してくれている。

……さっきから、言ってることはめちゃくちゃだけど。


私を呼ぶ声も、私に触れる指先も唇も。

すべてが甘くやさしくて。

ちゃんと、想われてることはわかってる。


でもね…

今日は、それだけじゃ足りないの。



「……ね、龍ちゃん?」

「ん?」

「もう1回、“愛してる”って言って?」



このときを待ってたの。



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