冷たいあなたは救世主


あの出張以来、雪野さんが私に冷たくすることは減ったが、相変わらず私に向ける目は冷たい。


「あ、あの…」


「なに?

今忙しいんだけど?」


嫌みのように言う。


…コーヒー飲んで、なんとなくくつろいでるのに。


「私、今日付けで退社を…」


「知ってる。部長から聞いた。

で、話ってそれだけ?」


面倒そうに雪野さんが立ち上がる。





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