冷たいあなたは救世主


「おかえりなさい」


作り笑顔を貼り付けて、なんとか自分を励まして、康くんを出迎えに行く。


なにも言わない康くん。


でも今日はなんだかご機嫌だった。


雰囲気が、いつもより丸く感じた。


だけど…


それは、私にとってはよくないことだった。



康くんが私の横を通り過ぎたとき。


康くんの服から女物の香水の匂いがした。


なにかの間違いだと信じたかった。





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