冷たいあなたは救世主
「天野さんはこういうの、初めてだろうから。
よろしく頼んだよ、雪野くん。」
「…はい。」
どうして雪野さんと一緒なの?
私じゃなくて、谷原さんにすればいいのに…。
仕事もできるし、キレイだし…。
…私なんかが一緒に行ったって、足引っ張るだけなのに…。
「それじゃ、二人とも。がんばって。
…と言っても、いつも取引してる会社との打ち合わせだから。
そんなに緊張しなくて大丈夫。
それと、部屋が同じで申し訳ないね。」
部長のスマイルに私は何も言えない。
いつもは同性ペアで行くらしく、部屋は一つしか予約を取らない。
しかも、急きょ私が雪野さんと行くことに決まり、部屋の予約を取ろうにももういっぱいだったとか…。