冷たいあなたは救世主
「…ないのか?」
雪野さんの声に私はビクッと体を震わせた。
「あ…えっと…」
「なにしてんだよ…。
…お前、ホントにやる気あんの?」
「すみません…」
はぁ、と雪野さんはため息をつきながら書類を取り出す。
「ほら。」
「え…でも、雪野さんが…」
「俺は昨日見て来たからいい。」
「ありがとうございます…」
思わず、涙がこぼれそうになる。
だけど
『雪野さんの書類を濡らしちゃいけない』
って思って、必死に我慢した。