冷たいあなたは救世主
15分ほど、書類を読んだときだった。
気持ち悪くなって、私はお茶を一口口にした。
それでも吐き気は収まらない…。
「あ、あの…」
「何?」
新聞を読んでいた雪野さんが面倒くさそうに顔をこちらに向ける。
「気分が…悪くて…」
「酔ったのか?」
私はコクリと頷いた。
喋ることでさえ辛かった。
「酔い止め飲まなかったのかよ…」
雪野さんは席から立ちながらそう言った。
「朝…時間がなくて…」
「酔いやすいなら先に言え。
…つーか、早くどけ。」
雪野さんに言われ、私も席を立つ。
「ほら、窓側座れ。」
「あ、ありがとうございます…」