勘違いから始まった恋
中高とエスカレーター式のこの学校は、先程にも云ったが男子校。
バイやらホモやらがそこら辺りに沢山居る。
そんな中で生活をしている俺は正直、女に告白された回数よりも男に告白された回数の方が多いという何とも奇妙な人生を辿っている。
男として虚しいこの上ない。
「うわ、あっちー……」
昨日の告白騒動が終わり、今日は学校が休みの日。
あまりの暑さにクーラーを付けた部屋に籠もりっぱなしの生活スタイル。
そんな時──
【ホテルいかねぇ?】
不意にナツキからのメール。
あまりにも馬鹿げている内容を見てしまった俺は何も見なかったことにして携帯を元の位置にそっと戻す。
……が、
【ヤーろーうーぜー】
続けてメールが何通か送られてくる。
中には放送禁止用語が書かれた内容のものまでもが。
さすがにこうも続けて送られてくると返信しない訳にもいかず、
【ふざけんな】
たった其の一文だけを送り返した。
どうしてナツキはこんなにも馬鹿で変態なのかを知りたい。
顔は格好良いのに、性格が全てを台無しにしている。
因みにナツキと同じぐらい馬鹿で変態なチヒロは誰もが並の顔と云う。
メールの返信をした数分後、またも携帯が鳴り響く。
──先程とは違う音色で。
「何」
『ああ……今からお前んち行くから』
「は?」
『異論は認めーん!あと5分で着くから。ジャッ!』