その一枚がくれたのは、勇気と恋でした

不安の中の安心

うちの高校の文化祭では、メインステージの使用順を何故か当日の朝に集まった生徒全員の前でくじ引きをして決めることになっている。

そのほうが朝から盛り上がるからという、何年か前の生徒会長の発案が今も根付いているということらしい。


「この舞台が終わるまでは演劇部だから、そうである以上は集中したいの」


私の我儘とも言える言葉にも、彼は快く受け入れてくれた。

こんなことを言えるようになるとは二週間前までは思ってもみなかったが、それもこれも彼のおかげだろう。


「楽しみにしている」


そう言って、私は演劇部に戻った。

この舞台が終わってから二人で写真部の展示を見ようという約束をして。