その一枚がくれたのは、勇気と恋でした
そのとき、彼からメールが届いた。


-大丈夫。

終わってからすぐに行けば間に合うよ。

だから、本番まで頑張って。

絶対に観に行くから。-


そのメールにそれまで不安だった気持ちのなかに安心が生まれた。



全部のくじが終わり、最初のメインステージの準備が始まるということで慌ただしく他の部活とともに舞台から退散した。

そのなかで彼への返信を忘れないように携帯電話に打ち込み始めた。

しかし、あまりにも退散する流れが速いため、上手くメールが打てず句読点などは省いて簡潔に送信した。


-ありがとう

頑張るね-


送信完了の画面も確認せずに、部長を先頭に演劇部は部室へと戻った。
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