その一枚がくれたのは、勇気と恋でした
終わらない特別な時間
舞台はあっという間に終わろうとしていた。



予想通り、オオトリの時間帯のメインステージの観客は今日一番の多さで、始まる前の声援はひと際大きかった。

そのなかで誰一人とも台詞や振付を間違えることなく、私たちの舞台は完璧ともいえる仕上がりだった。

この舞台が終われば、私たち三年生は引退してしまい、もうこのメンバーで舞台に立つことはない。

寂しいことだが、それ以上に今はこの舞台を無事に終えそうなこと、この舞台に立てたという満足感で満たされようとしていた。



そして、舞台が終わり、会場からは割れんばかりの大きな拍手が沸き起こり、ついに舞台は終わった。
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