その一枚がくれたのは、勇気と恋でした
最後の挨拶を終えて舞台袖に戻ると、出演していた演劇部の三年生全員で喜びと感動に浸った。
今まであまり付き合うことを遠ざけていたにも関わらず、みんな私にまで「ありがとう」と言ってくれ、抱きついてくる女子部員には思い切り抱きしめた。
「涼子、7時からの打上げで余韻に浸ればいいから、早く行ってあげな」
最後に抱きついてきた部長が呟き、時計を見てみると5時をかなり過ぎていて、舞台衣装のままで走り出した。
「すみません、良かったら写真いいですか」
明らかに演劇部ではない、他の生徒からの言葉に私は足を止められ戸惑ってしまった。
(早く、早く部室に行きたいのに)
「行こう、木ノ内さん」
そのとき、咄嗟に手を引っ張られ一緒に走り出した。
その手の先を見ると、和中君が他の生徒の視線を気にせずに一生懸命に走る姿があった。
彼は迎えに来てくれたのだ···
今まであまり付き合うことを遠ざけていたにも関わらず、みんな私にまで「ありがとう」と言ってくれ、抱きついてくる女子部員には思い切り抱きしめた。
「涼子、7時からの打上げで余韻に浸ればいいから、早く行ってあげな」
最後に抱きついてきた部長が呟き、時計を見てみると5時をかなり過ぎていて、舞台衣装のままで走り出した。
「すみません、良かったら写真いいですか」
明らかに演劇部ではない、他の生徒からの言葉に私は足を止められ戸惑ってしまった。
(早く、早く部室に行きたいのに)
「行こう、木ノ内さん」
そのとき、咄嗟に手を引っ張られ一緒に走り出した。
その手の先を見ると、和中君が他の生徒の視線を気にせずに一生懸命に走る姿があった。
彼は迎えに来てくれたのだ···