桜舞う
離れ離れの日々
吉辰が出陣しても、鈴姫は努めて通常通りに毎日を過ごした。松江たちと共に台所にたって食事を作り、何もなければ城下にでるか城内で長刀の稽古をする。
戦で吉辰が戦っていると思うことで、鈴姫も頑張ることができるような気がしていた。

「姫様、何故長刀を再開されたのですか?」

ある日、長刀の稽古の後、鈴姫の相手を務めた松江が尋ねた。

「…吉辰様が、褒めて下さったから…さすがわしの妻だと。」

顔を赤らめ、声を小さくしなが鈴姫は答えた。

「吉辰様のお言葉を裏切らぬようにしたい。」
「まぁまぁ…。」

松江は鈴姫の横顔を眩しく見つめた。

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