その女、女装男子です



三途の川が見えはじめた時、救世主が現れた。



「理事長、俺のクラスの子死にかけてますよ」


「お?すまんすまん」



その一言で気づいたらしいオッサンがようやく俺の肩から手を離す。

おえ、酔った。





「君は2年E組だよ。担任はそこに居る、黒澤先生だ」



黒澤と呼ばれるヤツを見る。一言で言うと、ホスト?って感じ。教師よりホストが向いてると思う。

胸元まで開いたボタン、ミルクティー色の緩くパーマがかかった髪が色気を倍増させている。


女はメロメロだな。




「君が伊吹 澪だね。俺は担任の黒澤 遊。よろしく」


「よろしく」



喋り口調までゆるゆるだな。まじでホストの方が向いてるって。



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