円卓の愚者ども
パンドラの箱
砂混じりの熱風。蜘蛛の巣だらけの天井。きれかけのランプ。
薫は表の世界とは正反対な、細長い回廊を汗をたらしながら歩いていた。

「明美ちゃん、大丈夫かなぁ。」

明美の事を思い、老人を裏切った罪悪感を無理矢理おしころそうとした。ナガタニさんの分まで生きよう。いや、生きなければならない「宿命」だ。

あふれんばかりの光。
出口だ。回廊を抜けると大広間にでた。

シャンデリア、ブロンズ像、絵画、甲冑。
想像どおりの部屋の奥に人影が3つある。

スーツ野郎と、ガテン系とケバい姉ちゃん。

「ふっ、あの泣いてた姉ちゃんも見つけられたか。」

待てよ、人影がひとつ足りない。
明美ちゃんがいない!
回廊の途中で何かあったんじゃ!まさか・・。

「よっ!」

そこには笑顔で敬礼する明美ちゃんがいた。

「明美ちゃん、無事だったんだね。」

いつのまにか「遠山さん」から「明美ちゃん」に変わっていた。
なぜ言えたのかもわからない。明美ちゃんも違和感なく返事をしてくれた。


「みなさま、我が家へようこそ。。さて、続いてのゲームよろしいでしょうか。」

「ああ!次はなんだ!」

「ふふ、今回のゲームは「宝探し」です。」



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