円卓の愚者ども
後藤は死者を見送るような目で、薫に言った。

「まずひとつ目の間違い。。。
あなたはこの屋敷に入る最初のゲームで、自分が生き残る為に年老いた老人を騙し、裏切りました。
・・・このゲームで私は「5」つの入り口がある、としか言っていません。1つの入り口から6人全員入る事も可能だったのです。ですが、あなたは自分の中で勝手に5人しか入れないと思い込んだ。」

息がつまる。たしかに誰かひとりが脱落すると思っていた。

「・・・・だからと、言って、こ、殺す事は、なぃ、、、だろ・・。」

「殺す。そう、それが2つ目の間違いです。わたしは失格者を殺すなど一言もいっていません。これもあなたが勝手にした勘違いです。」

キッチンの方から、一人の老人が現れた。
ナガタニ。

「どうも、長谷権三です。この屋敷の管理人をしております。いやぁ、災難ですなぁ、ふぉっふぉっふぉっ。」
もう言葉がでない。血が喉につまる。

「続いて3つ目のミス。。。
さきほどのゲーム、宝探しのゲームです。途中で如月麗子に会い、身元不明の箱を受け取ったはずです。
・・その時あなたは、欲望にかられ、その箱の持ち主をはめようとした。その箱を持ち主に渡していれば、ここには三人いるずですからね。」


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