円卓の愚者ども
仕事が終わり、アパートに戻った薫は眠れずにいた。

手には例の紙を持っている。

何かに応募した記憶もない。
なぜ俺の事を知っているのか。
なぜ自分の名前を公表しないのか。

全てが謎だった。

次の日も、身元不明のFAXが気になり、仕事が手につかずにいた。

こうなったら、招待を暴いてやる。

あいにく、明日は休みだ。
弟切山までもそう遠くはない。電車で2、3個行った駅のすぐそば。
仕事に影響をもたらしたヤツを、捕まえてこらしめてやる。

いまにみてろ。
薫から不適な笑みがこぼれた。
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