円卓の愚者ども
ガテン系の仕事をしていそうなニイちゃん。
頭がハゲあがった老人。
エリート丸だしのスーツ野郎。
確実に水商売をしているだろうオバサン。
明美ちゃん。

・・・・。
明美ちゃん?

薫は自分の目を疑った。
あの明美ちゃんがいる。
お茶くみの、マドンナの、後藤の明美ちゃんがそこにいる。

「と、遠山さん。なぜここに?」

明美ちゃんが目を丸くして驚く。

「え!辻井さん!なんでいるの!?」

質問を返されてしまった。しかたなく薫は今までのいきさつを全て話した。
どうやら明美ちゃんも同じ呼び出し方らしい。自宅のFAXにきたようだ。

「なんなんですかね、これ。」

「さぁ。。」

するとどこからともなく、声が聞こえてきた。男でも女でもない声。限りなく音に近い声。

「ようこそ、わたしの館へ、あなた方は選ばれし勇者です。どうぞお入りください」

声の主がそういい終わると、前方に変化があった。

ギィィィ

漆黒の鉄の門が音を立てて開き始めた。
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