魅惑のハニーリップ~危険な冒険編~
「大丈夫?…遥…」
「……うん…」
千秋には、『うん』って言ったけど。
……大丈夫なわけがないよ。
「遥は…“セクキャバ”なんて店が、存在すること自体知らなかったんでしょ?」
「…うん…」
「そりゃショックだよね。
でもまぁ…遥にとっても、ある意味社会勉強になったね。」
実際にそのお店がどんな感じなのか、自分の目で見てないからわからないけど。
そういうお店が存在するって…勉強になったよ。
世間知らずな私が、こんな形で社会勉強になるなんて…。
「ずっと落ち込んでても仕方ないじゃん。元気出しなよっ!」
「…うん…」
「遥もさ、たまには遅く帰って心配させてみるとかは?」
「…え?」
「それくらい仕返ししたって、バチは当たらないよ~」
私を元気付けようと思って、茶目っ気たっぷりに千秋が私を肘でつつく。
そう言われて、それもアリかな~なんて思っちゃった。
少しくらい、怒ってるんだ!って意思表示してもいいよね。
だって、口じゃ聖二さんには負けちゃうし…。