魅惑のハニーリップ~危険な冒険編~
その日、仕事が終わるとタイミングよく電話が鳴った。
ディスプレイを見ると、聖二さんからだ。
「…もしもし…」
『もしもし。遥ちゃん、もう仕事終わった?』
「…うん…」
『俺も今終わったから、一緒に今日は外に飯食いに行こ?』
いつもより、聖二さんの声が優しい気がする。
きっと、昨日の負い目があるから優しいんだ。
今日外で食事することで、フォローしようとしてるんだっ!!
「ごめんなさい。今日は私、帰りが遅くなるから…」
『え…だって、もう仕事は終わったんだろ?』
「これから千秋と遊びに行くの…」
それは…とっさに出たウソだった。
千秋はさっき仕事が終わって、もう帰っちゃったから。
本当は、今一人で居るのに、ウソ言っちゃった。