小悪魔な彼
そのあと、適当にウィンドウショッピングをしながら時間を過ごし、夜になったら適当なレストランに入った。
入ったレストランは、デパートの上にあるような普通のレストラン。
もちろん、あたしが夢描いていた高層階のレストランでも、オシャレなバーなどでもない。
だけど……
「……」
颯太となら、どこでもいいや、と思っている自分がいるのも確かだった。
「香澄先輩は何にします?」
「んー…とね、レディースセットでこれとこれ!」
「了解です」
それを聞いて、すぐに店員さんに声をかける。
あたしが声を発することもなく、スムーズに颯太は注文した。
「飲み物は何にします?」
「あっ、えっとアイスミルクティーで」
「アイスミルクティーを。あと、コーヒー」
「かしこまりました」
そして店員さんは、ぺこりとお辞儀をして去って行った。