小悪魔な彼
 
「でも今日はよかったです。
 香澄先輩が、ちゃんと笑ってくれて」

「え?」

「三浦先生のこと。
 もっと落ち込んでいるかと思いました」


それを言われて、あたしも今気づいた。


そっか。
そういえばあたし、失恋したばかりなんだっけ……。


結婚の報告を受けたときは、悲しくて仕方がなかったのに、今じゃ全然気になってない。


きっとそれは、颯太が隣にいてくれるから……。
 
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