小悪魔な彼
 
「もう大丈夫。
 今度、ちゃんとお祝いの言葉を言いにいかないと」

「そうですか」


気が付けば、あたしたちの足は止まっていた。



「俺の存在……
 少しは役に立ちました?」

「だいぶ」



にこりと微笑んで返す。

今のあたしは、颯太に頼りきってばかりだ。


「あたし、年下っていうことに勘違いしてた。
 年下だから、頼れないとか、子どもっぽいとか、そんなのただの偏見。

 颯太は、年下の子…じゃなくて、颯太は颯太だよ」


年とか関係ない。

好きなタイプは年上。なんてワードは、もう消しておかなくちゃ。
 
< 106 / 416 >

この作品をシェア

pagetop