小悪魔な彼
「もう大丈夫。
今度、ちゃんとお祝いの言葉を言いにいかないと」
「そうですか」
気が付けば、あたしたちの足は止まっていた。
「俺の存在……
少しは役に立ちました?」
「だいぶ」
にこりと微笑んで返す。
今のあたしは、颯太に頼りきってばかりだ。
「あたし、年下っていうことに勘違いしてた。
年下だから、頼れないとか、子どもっぽいとか、そんなのただの偏見。
颯太は、年下の子…じゃなくて、颯太は颯太だよ」
年とか関係ない。
好きなタイプは年上。なんてワードは、もう消しておかなくちゃ。