小悪魔な彼
「ちょっ………っ…」
必死に抵抗するも、頭を押さえられ唇を離せない。
いつしかあたしの力は弱まり、颯太のキスを受け入れていた。
「っ………はぁっ…」
そっと唇を離す。
目の前にいる颯太の瞳は、女のあたしでもドキッとするくらい色っぽいと感じてしまう。
「……また…無理やりして……」
「香澄先輩が、可愛いから悪いんです」
「可愛くなんかっ……」
否定した瞬間、抱き寄せられる体。
思わず、言葉も止まった。
「早く……早く俺のことを好きになってください……」
やっぱり颯太は卑怯だ。
男の顔になって、強引にキスするくせに
年下の顔になって、子犬のように懇願する。
「………バカ…」
きっとあたしの心は
もう半分以上、颯太のものだ。