小悪魔な彼
「颯太、カッコいいね」
あたしは言い直して、颯太の顔を覗き込んだ。
これも本音。
好きな子のために、ここまで自分を変えられるなんて、そうそうなものじゃない。
きっとあたしが思っている以上に、いっぱい努力を積み重ねてくれたんだ。
「その顔で、そんなこと言うのは反則ですよ」
「え?」
腕を引っ張られたかと思えば、近づいてくる顔。
あたしは……
「…っ」
「……なんですか、その手は…」
つい両手で、自分の口を押さえた。