小悪魔な彼
まつ毛も長くて
髪の毛もサラサラ。
さっきみたいに、女の子がキャーキャー騒ぐのも分からなくない。
だって……
本当に颯太はカッコいいから……。
「なんですか?」
「……え?」
急にばちっと合う視線。
思わず、目を見開き、間抜けな声を出してしまった。
「さっきから、ガン見されて、やりにくいんですけど」
「き、気づいてたの?」
「はい」
その返事を聞いて、一気に恥ずかしくなった。
まさか、ずっと凝視していたことに気づかれていたなんて……。
「た、たまたまだよっ」
あたしは慌てて下を向くと、入り込みもしない教科書をじっと睨んだ。