小悪魔な彼

「どうかしました?」

「……て…」

「え?」

「もっと触れてよ」


悔しさを噛みしめて、颯太を見上げる。

だけどもう、意地とかそんなのどうでもいい。


あたしの言葉に、颯太は目を丸くさせている。



「もっと……
 もっとあたしに触ってっ」

「……先輩…」



颯太は微笑むと、ドアについていた手を、あたしの背中へと回した。
 
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