小悪魔な彼
 
「あ、それじゃあ……」


封筒を鞄にしまうと、提案が浮かんだようでこっちへ振り向いた。


「テスト最終日、空いてます?」
「え、まあ……」
「その日、一緒にメガネ、買いに行ってもらえませんか?」
「それは構わないけど……」
「やった」


あたしの返事を聞いて、颯太は小さくガッツポーズをしていた。


やっぱり、そういう姿は可愛いな。
 

「メガネ、香澄が選んでください」
「え……いいの?」
「はい」


香澄、と呼ばれることにはだいぶ慣れた。

だけどまだまだ、心の中では反応してしまうくらい嬉しい。
 
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