小悪魔な彼
 

「だからって、そんな目で見ないでください」

「だって、明日からまた、コンタクトでしょ?
 今のうちに、ちゃんといっぱい見ておかなくちゃ」

「コンタクトに慣れると、メガネは視界が狭まって、生活しにくいんですよ」

「じゃあ、我慢して」


じっと見られて、少しだけ照れくさそうにしている颯太が可愛くて、あたしは余計に見つめたくなった。



「あまりそんな目で見てると、理性飛びますよ?」

「え?」



そう言ったときには遅かった。

頭を引き寄せられ、重ねられる唇。


メガネが、コツッと頬に当たった。
 
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