小悪魔な彼
「連絡事項は以上。
冬休みだからといって、はめをはずさないように」
「はーい」
終業式は、HRと成績表を配られるのみ。
あたしは、先生からの連絡事項を受けている間も、ずっと成績表を眺め、一人にやにやしていた。
今までとは圧倒的に違う成績。
こんなにいい並びの数字なんて、初めて見た。
テストはあたしが思っていた以上に結果がよく、追試はもちろん、どれも平均点以上だった。
「じゃあね、香澄」
「うん!連絡するから、休みの間、遊びに行こうね」
「もちろん」
朱里は彼氏と待ち合わせしているせいか、いつもよりさっさと準備をして教室を出て行った。
あたしはまだ颯太の迎えが来ないので、教室で待機。
しばらくすると……
「すみません。遅くなりました」
「颯太っ」
少しだけ、息を切らした颯太が現れた。