小悪魔な彼
「お邪魔します……」
結局、予定していた、一度家に帰って私服に着替えるということはやめ、そのまま颯太の家へ。
お家の人への挨拶を…と思い、ドキドキしながら一緒に家に入ったけど……
「あ、母親、今日出かけてていませんよ」
「え!!」
その言葉に、ドキッとした。
確かに、付き合って間もない今、お母さんに挨拶をするのは緊張するけど、いないのはいないで別の意味で緊張してしまう。
「母親も、友達とクリスマスパーティー的なものをするみたいです」
「そ、そっか」
何も気にしてないそぶりを見せる颯太に、あたしも何事もないように答えた。
いや、たぶん汗がにじみでてるけど……。