小悪魔な彼
 
 
「でも、あれですよね。
 1か月後までに、香澄先輩が俺を好きになれば、そのまま本物の恋人に昇格できるってことですよね」

「なにその自信……」

「自信なんかないですよ。
 だって俺、香澄先輩の最大条件に満たしてないですから」


峰岸くんは、少しだけ切なげな瞳を混ぜて微笑んだ。


「俺、どうやったっても、香澄先輩の年上にはなれません」

「……知ってたんだ」

「はい。入学前から、香澄先輩を見てたんですから」

「……」


やっぱり、そのワードが気になる。

あたしは学校以外の場所で、峰岸くんに会っていたのだろうか……。
でもこんなカッコいい子、一度見たら忘れないと思うんだけどな。


「だから今回のメガネ事件は、絶好のチャンスです」


そこまで言うと、また可愛らしい笑顔を向けた。

その笑顔、やっぱり反則だ……。
 
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