小悪魔な彼
「は、はじめして!
雪本香澄と言います。
颯太さんと同じ学校の2年です」
「あら、年上?
颯太やるじゃないっ」
「うるさいなぁ」
おばさんの突っ込みに、めんどくさそうに答える颯太。
あたしは「ははは」と笑うしかない。
「颯太にこんな可愛い彼女ができるなんてねー。
あら、そういえば今日、遅くなるって言ってなかった?
香澄ちゃんとデートする予定だったの?」
「……そう。
だけど雨で予定してたものが行けそうにないから、家に呼んだの」
「颯太ってば、スケベねー」
「ちげーよ!」
遠慮なく、颯太に突っ込んでくるおばさんにちょっと笑えた。
「香澄ちゃんも、ゆっくりしていってね」
「あ、はい!
お邪魔してますっ」
そしてぺこりと頭を下げると、再び颯太の部屋に戻った。