小悪魔な彼
 
だけど、あたしのことを本気で好きならば、ちゃんと言っておかなければいけないことがあった。


だってあたしは……


「峰……」


彼の名前を呼ぼうとした瞬間、あたしたちの前にぽーんとボールが飛んできた。


「ごめんなさーい!」


どうやら、前で遊んでいた子供たちのボールが、こっちに飛んできたようだ。

峰岸くんは立ち上がると、ボールを子供たちに向かって軽く蹴る。
命中率は完璧で、手をあげた子供の足元にしっかりと届いた。
 
< 19 / 416 >

この作品をシェア

pagetop