小悪魔な彼
だけど、あたしのことを本気で好きならば、ちゃんと言っておかなければいけないことがあった。
だってあたしは……
「峰……」
彼の名前を呼ぼうとした瞬間、あたしたちの前にぽーんとボールが飛んできた。
「ごめんなさーい!」
どうやら、前で遊んでいた子供たちのボールが、こっちに飛んできたようだ。
峰岸くんは立ち上がると、ボールを子供たちに向かって軽く蹴る。
命中率は完璧で、手をあげた子供の足元にしっかりと届いた。